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対テロ総研ーテロの発生原因、対策、影響を考える

テロの発生原因、企業の取るべきテロ対策、企業活動への影響等をわかりやすくお伝えします。

テロ対策って言うけど具体的にどうすればいいの?ー企業のテロ対策の考え方

こんにちは、ネコテックインダストリーアナリスト桃井です。

今回は企業や個人のテロ対策の基本的な考え方についてご紹介したいと思います。

 

なぜテロ対策と言われてもピンとこないのか

連日紙面を賑わせるテロと叫ばれるその対策、必要とは分かっていても実際どのような手段を講じるべきなのか分からないという声はよくお聞きします。

たしかに近年頻発しているイスラム過激派による無差別テロは日本において身近ではなく、今更対策と言われても難しいのかもしれません。

また、日本においてはテロ研究自体もあまりさかんではなく、テロの原因としてマスコミ等で語られるのも貧困や経済格差といった社会問題的なものです。もちろんこれらもテロの原因となりうるもので対策を講じる必要はありますが、同時に安全保障面からテロを防ぐ対策も講じない限りはテロを防ぐことはできません。たとえば、地域的な貧困や経済格差への解消策を日本政府が講じたとしても、その翌日に計画されているテロを防ぐことは難しいでしょう。こうしたテロの問題を社会問題に帰してしまう点も具体的なテロ対策を策定しにくくしていると言えます。

これに対して米国ではテロ問題を安全保障的なものとして捉える傾向が強く、より具体的なテロ対策の策定がしやすい環境にあると言えます。

これについては後日詳しく述べたいと思います。

 

企業や個人におけるテロ対策の考え方

では我々国民や企業レベルでのテロ対策はどのようなものにすべきなのでしょうか。

この問題に対しては3つの段階において対策が必要になります。

 

1. 未然防止

未然防止は文字通り、テロを起こさせないように取る対策です。たとえば昨年のパリ同時多発テロの直後に計画されていたベルギーでの同種のテロを諜報活動や警戒態勢の強化により未然に防いだことや、警戒箇所のパトロール、ゴミ箱の撤去、大規模イベントでの監視カメラ・ドローン等での監視による抑止効果、不審物の早期発見、専用アプリによる危険情報の収集による危険回避行動等が挙げられます。この段階での対策が効果的に作用すればテロ自体を防ぐことができますが、完全にこれだけで対応することは難しいというのが現状です。たとえばよく言われているのが、中が見えるゴミ箱に不審物があってもそれが不審物と気づかないということですが、この指摘もテロの未然防止の困難性を示していると言えます。

 

2.被害抑制

実際にテロが起きてしまった際に発生するテロの被害を最小限に食いとどめることを目的とした対策です。私どもでもラインナップがございますが、テロリストに狙われやすい箇所のゴミ箱やトイレ、ガラスを耐爆仕様にし、爆弾が爆発した際の飛散による被害を低減する措置や、バイオテロの際の中和剤、AEDの配備等が挙げられます。

日本ではオウム事件以降、大規模な無差別テロが発生しておらずこの対策があまり進んでいないためとりわけ重要であると考えられる対策です。

 

3.影響調査

テロが発生した際に生じる経済的な損失等の影響を予測し対策を取る段階です。テロは為替、株価、訪日外国人数、邦人・海外観光客数等様々な範囲で影響を及ぼします。自然災害と同様に予測が難しいため、あらかじめこうした影響を見極め、必要な対策を講じることは今後のテロ対策においても重要になってきます。現在各国のテロ事件のデータベースやビッグデータの分析ツールの充実化が図られており、こうしたテロが発生した際の定量的な影響調査の精度も以前より格段に上がってきています。

 

重要になってくる対策は?

上記3点の対策をバランスよく実施することが好ましいですが、予算や時間的な問題で難しい場合もあるかと思われます。そのような場合あえて言うのならば「被害抑制」が重要になってきます。実際、未然防止の段階での不審物の発見は困難であるとも言われています。たとえば過日靖国神社の公衆トイレで発生した爆破事件ですが、このトイレも定期的な巡回がなされていたにもかかわらず事件が起きてしまいました。

この段階での防止が難しいとなると次に犠牲者数を抑えることができるのが「被害抑制」の段階です。

爆弾の危険性はその広範囲に及ぶ殺傷能力になります。爆破の衝撃によって飛散したガラスや金属片は「機関銃の銃弾と同様」とも言われており、爆弾の衝撃よりもこれによる死傷者が非常に多いとされています。この飛散による被害をどれだけ抑えられるかが、今問われている課題であると言えます。

 

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nekotech(テロ対策を考えるーネコテックインダストリー)